転がり軸受におけるレース面修正

2022年12月1日

転がり軸受の寿命は、転動体と軸受レースの間に発生する接触応力の大小に左右されます。接触応力は接触負荷から計算され、またこれは軸受に作用する外部からの負荷と軸受の正確な内部諸元形状によって左右されます。

ころ軸受では、接触条件は主に、ころ全長にわたる接触応力の分布に左右され、これは基本的に転動体の変更によりコントロールすることができます。そして、接触応力の分布をコントロールできるもう一つの可能性がレース面の修正です。

レース面の修正は特に、最終検査や組付工程でわかる加工誤差又は組付誤差の発生が大きい場合に実施されます。このようなケースでは、完全に新しい軸受とそれに対応するよう修正された転動体を用意するのはかなりコスト高になります。そこで、レース面を修正研磨し応力分布の改善を図るのです。歯車設計者はKISSsoftを使って、既存の状態におけるレース面を修正・最適化し、その効果をシミュレーションすることができます。

レース面修正はKISSsoft2022年度版から、円筒ころ軸受の設計に機能として追加されました。将来的には、ほかの種類の転がり軸受にも実装される予定です。